ドイツのコロナの状況と支援策、日々の生活、日本との違い

今日はドイツにおけるコロナウイルス(covid-19)に対する政府の支援策や、日ごろの暮らしの変化についてお伝えします。また記事の最後に日本の支援策のまとめを載せていますので、気になる方は途中をスキップして最後の部分だけでも読んでみてください。
*注意:状況は日々変化しています。大使館などからの情報を随時チェックして最新の情報を確認してください。ここで紹介している情報も大使館からの情報をもとに作成されています。本情報によって起きた問題には一切責任を負えません。

2020年3月16日からロックダウン

まず、私が住むNRW州の状況を時系列に沿ってお伝えします。

3/10 14人以上が参加するイベントの中止を要請。

3/15 オーストリア,スイス,フランス,ルクセンブルク,デンマークとの国境管理を開始(仕事で越境する場合は除く)

3/16 バー、劇場、ジム、学校、公園の封鎖、観光を理由にしたドイツでの宿泊の禁止。(この時点でリモートワークをする会社が増えてきた)

3/22 レストラン、美理容室閉鎖。公共空間における滞在は、単身または家族以外の一名まで認められる。違反者には最低200ユーロの罰金。(この時点でレストランはテイクアウトへの一時的業態変更が見られる。スーパーは開いているが、子供連れの入店を禁止する店が出てきた。実際逮捕者は3/25までにNRW州で249件発生した)

3/23 各種財政支援策を発表。労働時間短縮補償金、企業資金流動性の確保、資金繰りのための貸付、感染した従業員等の給与支援申請等。

3/27 NRW州においては、従業員50名以下の中小事業者並びにフリーランス(アーティスト等も含まれる)への一時金支給プログラム「NRW-Soforthilfe 2020」の申請受付を開始

4/10 ドイツへの帰国(入国)者に14日間の自宅隔離措置を実施。 (4/10-13のイースターホリデー中の移動にも適用されるべきとの記載あり)

Social Distance

普段の生活に支障は無い

レストランやイベント関係の方は直接的にインパクトがあると思います。本当にその方々は大変な状況と思います。幸いなことに、私の日々の業務的にはリモートワークになった程度で、収入がなくったり、生活に瀕する状況ではありません。普段と変わったことといえば下記の通り。

  • トイレットペーパー、パスタ、小麦粉、イースト、消毒液が在庫不足
  • Webinar関係の機材が軒並み売り切れ
  • Amazonからの商品到着が遅れる
  • 子供と家で過ごす時間が増えた。自宅勤務&公園閉鎖の為

買占めは起きていて(ドイツ語でhamsterkaufと言う)、スーパーでは空の棚をよく見ます。日本でいう米にあたる小麦粉が無くなるのでしょうか。。。

閉鎖と支援策は一対一

ドイツでは閉鎖を要請(自粛ではない)するのとほぼ同時に支援策を発表しています。ドイツの支援の内容はJetroのページを見ていただくと日本語でわかりよいと思います。細かいものもありますが、大まかにまとめると下記の通り。

1.時短手当(Kurzarbeitergeld)
2.納税期限延長(Steuerstundung)
3.補助金(NRW-Soforthilfe 2020)および融資

時短手当はもともと社会保障の一環としてある仕組みで、解雇の代わりに報酬を減らすことで雇用を継続しようとするものです。減った分の60%、子持ち家庭は67%が補填されます。今回はこの適用要件を「従業員の10%以上が10%以上賃金報酬を減らされる場合」に緩和しました。もとは「従業員数の 3 分の 1 に労働 時間短縮を適用する場合」でした
補助金・融資は大企業向けと小企業/自営業向けのものがあります。大企業向けには6,000億ユーロの経済安定化ファンドと 8,220 億ユーロのドイツ復興金融公庫 による信用保証枠があります。小企業/自営業向けには、500億ユーロの連帯ファンドを設立、返済不要の給付金です。これはNRW州ではNRW-Soforthilfeと呼ばれ「昨年同時期の3 か月平均売り上げが、50%以上減少した」などの条件があり、一度限りで9,000~25,000ユーロの給付がされます。申請はオンラインでのみ行われます。

ロックダウンの効果は出ている

Global Covid-19 Cases

まだ世界的には拡散の傾向を見せていますがドイツの状況は下記の通り。
4/14現在、症例数は130,072人。100万人当たりの死者数は39人。
3/16にロックダウンして3週間ほど経ってから一日当たりの新しい患者数が減り始めました

https://www.worldometers.info/coronavirus/country/germany/

ちなみに日本は、人口と比較すると比較的少ない数字を示しています。
4/14現在、症例数は7,645人。100万人当たりの死者数は1人。
但し、ドイツがロックダウンした時の患者数が7,272人と、ほぼ今の日本と同じ。この状態からロックダウンよりソフトな”自粛要請”でどこまで抑えられるかは、個人的には不安があります。

https://www.worldometers.info/coronavirus/country/japan/

世間には様々な情報が飛びかっています。BCG接種者はかかりにくいとか、そもそもレポートされている数字も怪しいなどなど。ただ未確認情報&自分でコントロールできない件に関してはあまり時間を割かないほうが良いと思います。

ターゲットとマクロ的視点が必要

コロナウィルスの状況が良くなることが、皆さんの共通のターゲットだとしましょう。でも、ここで”良くなる”とはどういうことでしょうか。感染を減らすことがターゲットなのであれば、徹底的に移動を制限し、怪しい人はPCR検査をしてどんどん病院に運んで管理すればいいのです。でもそうしないのは理由があると思うのです。一つは経済活動をなるべく続け、お金を回し、国民の生活を守り、ひいては国力を保つこと。もう一方は、対応する病院には限界があること。PCR検査は精度が高いといわれていますが、国民全体に行うようなことをすると、ほんとはかかっていないのに陽性という判定を受ける人が大量に病院に運ばれることになり、本当に対応が必要な人が病院にかかれなくなってしまいます。

ですので、マクロ的に見たターゲットは、「経済活動をなるべく保ちながら、病院が対応できる人数以下に患者数を抑え込むこと、そして落ち着いた後に素早く経済回復すること」と私は考えます。
これを実現するには、個々人で実現できる基本的なうがい手洗い、人との距離をとる、を実践することが大事です。また政府としては、素早く経済回復をするために、人:雇用の維持、会社:資金繰り援助を実行してもらうことが肝と思います。政府は4/7に計108兆円の緊急経済対策を発表しました。ドイツが行っていることとかなり近いことが記載されています。

最後に:困ったら雇い主、役所に聞こう

残念ながら上記の日本の緊急経済対策は、自粛要請と同じ時期に出されたのにも関わらず、あまり報道されていないように見えます。また窓口ではある人は認定されたりされなかったりしています。ですので皆さん自身で情報を手に入れ、問い合わせ、自分の身を守る行動を起こしましょう。最後にいくつか近々で役立ちそうなリンクを載せますので活用いただければ幸いです。
雇用調整助成金:厚生労働省 (従業員の雇用維持)
生活支援臨時給付金(仮称): 総務省 (生活に困っている世帯に対する生活維持)
持続化給付金 : 経済産業省 (フリーランスを含む、事業全般に広く使える給付金 )
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策 : 閣議決定内容原文

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